スーグラ錠は新しいタイプの糖尿病の治療薬です。
成分名は、イプラグリフロジン
インスリンに依存しない糖尿病の治療薬で、
過剰な糖質を尿に排出することで、体外へ出してくれる薬です。
正常な人であれば、尿には糖は含まれません。
というのも、腎臓で尿がつくられるときに必要な栄養素(糖やアミノ酸)は血液内に再吸収されてしまうからです。
まず、
腎臓で尿の元となる原尿がつくられます。
この中には、糖やアミノ酸などの栄養素が含まれていますが、
この原尿を膀胱へ送る前に、
身体に必要なものを再吸収してから、尿管を経由して膀胱に送ります。
この再吸収の時に糖は血液へ取り込まれ、膀胱に送られる尿は糖を含みません。
しかし、糖尿病の名前どおり、糖尿病の方の尿には糖が含まれます。
これは、原尿と血液にあまりにも多く尿が溶けているため再吸収しきれずに、
尿に糖が排出されてしまうからです。
このイプラグリフロジンは、糖が再吸収されるのを妨げて、率先して糖を尿中に出すことで血液中の糖を減らす働きを期待しています。
尿に出すだけなので、インスリンはまったく関与しません。
インスリンが関与しないので、低血糖が起こりにくいと言われています。
ただ、本来尿には含まれない、糖が尿中に含まれると、細菌感染のリスクが心配されています。
膀胱にたまった尿に糖が含まれるとそれを餌にして、細菌が増殖して、膀胱炎を引き起こすおそれがあるからです。
海外も同じ作用機序の薬剤が承認されて間もないためいろいろと使用成績調査が行われるようです。