薬局の不動在庫も溜まってきたので以前にも紹介したデッドストックを買い取ってくれる「ファルマーケット」のサイトを覗きに行ったら、サイトがリニューアルされて前よりも格段に使いやすくなっていました。
このファルマーケット(Pharumarket)ってサイトは、開封済みの薬でも、箱付きという条件ながらも1シート単位で買い取ってくれる薬局にとって救世主みたいなサービスなんです。以前利用したときは不動在庫を郵送してから結果が出るまで超スピーディーに対応してくれました。
ちなみに箱付きでなければならない理由をファルマーケットに問い合わせしてみたら、医薬品医療機器等法に書いてある法定表示を満たすためと、シートと外箱の製造番号を確認して、外箱の期限が残っていることを担保するという二つの目的のためだそうです。
医薬品の売買においては、偽ハーボニー事件で世間が敏感になってるので、ここはしっかりとしたところを選んどきたいとこです。ちなみに、偽ハーボニー事件ってのは現金問屋が見知らぬ個人から騙されて仕入れた偽医薬品(ハーボニー)を調剤薬局に販売してそれが処方箋を持参した患者さんへ渡ってしまったという前代未聞の事件です。もちろん、Pharumarketは現金問屋ではありません。
ファルマーケットは品質管理と法令遵守にはそうとう力をいれているのでホームページから遵守の徹底ぶりがうかがえます。まぁ、あんな事件があったあとなので、これくらいやらないと顧客がなっとくしないでしょうね。売買するにあたっては薬局の開設許可証の写が必要になります。
許可番号と都道府県の登録番号と照合することで、不特定の個人を排除しています。登録できるのも調剤薬局もしくは調剤併設のドラッグストアだけなので、なんと病院やクリニックですら登録できないという徹底ぶり。
病院だっていらない薬もっているはずだから、需要は十分にあるだろうにと思うのですが、実は、病院やクリニックって処方箋で患者に渡す以外の医薬品の売買ってできないんです。病院からデッドストックを買い取りではニーズはあるんだろうけど法令遵守のもとではできないんです。
でも、現金問屋なんかはゴニョゴニョ。そうそう個人から現金問屋が偽ハーボニーを買取ったときは架空の取引先で伝票や帳簿を作成したそうです。
ファルマーケットはけっこう大きいとこが出資してやってるのでそうとう徹底してますよね。
ビジネスモデルは、薬局に眠っている不要なデッドストックを安い値段で買って、他の卸よりも安い値段で売って利ザヤをとるって単純なスタイルなんだけど、中古品だから他の卸よりも安い値段で売るのが絶対条件なので微妙な価格ラインで攻防を繰り広げてるとおもいます。そうとうな薄利多売が予想されます。
それでも、品質管理は力を入れてるみたいで買ったものを鵜呑みにするのではなくシートを1枚1枚すべてロットチェックしているようです。あんな見にくい文字をすべてチェックするとか、信じられません。これで数%の利ザヤでの売買だとやってけるのでしょうか。
このビジネスモデルで利益を確保するために一番大切なのはデッドストックを集めることです。仕入れがないと売れないですからね。仕入れ重視だから、利用料とか登録料とかは一切ないです。利用者側からしたら利用するハードルはすごく低くなりますよね。
利用料がないのでとりあえず登録しといて高額品のデッドがでたら活用する使い方が想定されます。個人的には、気軽に利用できるので狭い調剤室を圧迫しているデッドストックを二束三文でいいから引き取ってもらって処分してもらうのに使うといいとおもってる。
ブックオフに二束三文で本を売るのって、あれは別にお金が欲しいわけではないんですよね。捨てるという背徳感をすこしでも減らすために再利用という大義名分で手放すんです。(ゴミを捨てる)。
同じです。会社のお金でデッドストック(ゴミ)をつくってしまったが、使うことはないけど、会社のものだから勝手に捨てられずにさっさと期限が早く切れないかなぁと祈っているものがある。これは経営者視点ではなくて意識低い系雇われ薬剤師思考(つまり私)なんですけどね。
そういうときに、こういうとこ使うと大義名分のもと自分の罪を売買することが出来る。
他にも、リバイバルドラッグやポケ薬とかあるけど、このファルマーケットが一番使いやすいし手間がかからない。やっぱり利用料無料っていうのがいいですね。とりあえず、売りたいってときに便利ですよね。
大手はチェーンで在庫回せるけど、こういうサービスは中小薬局にはありがたい存在です。
あと、ここから医薬品を格安で買うことも出来るから、大手卸に冷遇されてる小規模薬局なら中古薬品で利益改善できるんじゃないでしょうか。
ファルマーケットのサイトのコンテンツの中に「シミュレーション診断」ってのがあります。いままでの購入金額や切り替えでの利益改善額を自動計算できるって斬新な企画があります。
これは、月々の薬剤売り上げと薬価差益率、年間廃棄額を入力することで、簡単な収益向上シミュレーションを見ることができます。
期限切れで捨ててしまう薬でも、結構なお金になるし、薬価差益が大きくなるのがわかる。
ちなみに購入したことはないからその部分のインパクトはわからないけど、シミュレーションを見る限りだと結構な利益改善になりそう。
ファルマーケットでホントにスゴいなと思ったのが、医薬品を購入するときの品質管理体制のマメさです。買い取った薬を1つずつ展示して写真にとって、現物の画像を公開しています。だから、ヒートデザインが旧包装かどうかだって実物写真だからわかる。
こんな感じなんだけど、箱で2枚、ヒートの裏表で2枚と、合計4枚です。製剤写真集の製剤写真使えば省ける手間なのにあえて写真にとってるってのはやっぱり好感もてますね。