インフルエンザには、昔は対処療法しかなかったけど、
この抗インフルエンザ薬の登場によってインフルエンザウイルスに直接効果が得られるようになり、
治療が劇的に進歩しました。
リレンザは、ノイラミニダーゼ阻害薬というカテゴリーの薬です。
吸入薬で、ウイルスの増殖部位である気道に直接作用するので、全身への影響は少ないと言われています。
また、プロドラッグではなく活性物質がそのものが高濃度で増殖部位に届くことから即効性も期待されてます。
現在使用されているノイラミニダーゼ阻害薬は、
4種類あります。
ノイラミニダーゼ阻害薬は、細胞内で増殖したインフルエンザウイルスが細胞外に遊離するのを阻害する薬で、
どれもA型、B型どちらのインフルエンザにも有効で、
とくに、A型に対してはとてもよく効きます。
ウイルスが体内で増殖してくれるのを食い止めてくれるので、
ウイルスが増殖し切る前に使用することが大切です。
具体的には、
症状の発現から2日以内に投与することとされています。
添付文書では、
症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者に有効性を裏付けるデータは得られていない
と記載されています。
抗インフルエンザ薬には色々種類があるが、
リレンザはなかでも、
10歳以上の小児や成人によく使用されます。
吸入薬なので、あんまり小さい子は吸入の手技が困難です。
1歳~4歳くらいの小さなお子さんには内服薬であるタミフルドライシロップがよく使われます。
タミフルは、10代には異常行動を発現のリスクが高いことから原則使用されません。
その代替薬として、しばしばリレンザが用いられます。
ちなみに、リレンザは、
「4歳以下の幼児に対する安全性は確立していない」と添付文書に記載されています。
また、添加物に乳糖が含まれるため乳アレルギーのある人は注意とされています。
リレンザではないが、似たような薬のタミフルという薬で、10歳代のインフルエンザ罹患者がタミフルを服用後に転落死したことで、大々的にニュースで取り上げられました。
2007年には異常行動を誘発する可能性があるとされ、タミフルは原則10代には使用しないことになりました。
この時はインフルエンザ罹患者のほとんどがタミフルを使用しており、他のノイラミニダーゼ阻害薬は話題にならなかったが、
現在は、他のリレンザ、イナビル、ラピアクタも同じカテゴリーの薬として異常行動に注意喚起をするように求められています。
具体的に異常行動とは、
普段と違うとっぴな行動をとる、うわごとを言ったり興奮したりする、幻覚が見える、妄想、意識がぼんやりする、突然走り回るなんかがあげられます。
ただ、
このようなことは、抗インフルエンザ薬を投与してないインフルエンザ罹患者にも見られることもあり必ずしも薬の副作用とは言い切れません。
特に、発熱後の24時間以内の比較的早期に起こりやすいと言われているので、
インフルエンザと診断されたら少なくとも2日間、保護者の方は、就寝中も含め患者を一人きりにさせないようにしましょう。
このリレンザという薬は、
インフルエンザに罹患していなくても予防薬としても使用することができる。
予防投与は保険適用がなく自費診療になってしまいます。
通常リレンザは、1日2回、1回2吸入を5日使うが、予防投与の場合は1日1回、1回2吸入、10日間とされている。
この10日服用を継続している間は、インフルエンザを予防できるとされています。
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