インフルエンザには、昔は対処療法しかなかったけど、
このタミフル登場によってインフルエンザウイルスに直接効果が得られるようになり、
治療が劇的に進歩しました。
タミフルは、ノイラミニダーゼ阻害薬というカテゴリーの薬です。
現在使用されているノイラミニダーゼ阻害薬は、
4種類あります。
ノイラミニダーゼ阻害薬は、細胞内で増殖したインフルエンザウイルスが細胞外に遊離するのを阻害する薬で、
どれもA型、B型どちらのインフルエンザにも有効で、
とくに、A型に対してはとてもよく効きます。
ウイルスが体内で増殖してくれるのを食い止めてくれるので、
ウイルスが増殖し切る前に使用することが大切です。
具体的には、
症状の発現から2日以内に投与することとされています。
添付文書では、
症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者に有効性を裏付けるデータは得られていない
と記載されています。
抗インフルエンザ薬には色々種類があるが、
タミフルはなかでも、
1歳~9歳までの小児によく使用されます。
というのも他の薬剤で、粉薬として発売されている薬がタミフルしかないからです。
タミフルは、添付文書に、
・1歳未満の患児に対する安全性及び有効性は確立していない
・10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。
と記載されていることから、
1歳未満と10代ではほとんど使用されることはあません。
10代にはタミフルが推奨されないのでリレンザやイナビルがよく使用されます。
このタミフルという薬は、2007年に10歳代のインフルエンザ罹患者がタミフルを服用後に転落死したことで、
異常行動を誘発する可能性があるとされ大々的にニュースで取り上げられました。
この時はインフルエンザ罹患者のほとんどがタミフルを使用しており、他のノイラミニダーゼ阻害薬は問題にはなりませんでした。
ただ、いまは他のリレンザ、イナビル、ラピアクタも同じカテゴリーの薬として異常行動に注意喚起をするように求められています。
具体的に異常行動とは、
普段と違うとっぴな行動をとる、うわごとを言ったり興奮したりする、幻覚が見える、妄想、意識がぼんやりする、突然走り回るなんかがあげられます。
ただ、
このようなことは、抗インフルエンザ薬を投与してないインフルエンザ罹患者にも見られることもあります。
特に、発熱後の24時間以内の比較的早期に起こりやすいと言われているので、
インフルエンザと診断されたら少なくとも2日間、保護者の方は、就寝中も含め患者を一人きりにさせないようにしましょう。
このタミフルという薬は、
インフルエンザに罹患していなくても予防薬としても使用することができる。
予防投与は保険適用がなく自費診療になってしまいます。
通常タミフルは、1日2回、1回1カプセルを5日使うが、予防投与の場合は1日1回、1回1カプセル、10日間とされている。
この10日服用を継続している間は、インフルエンザを予防できるとされています。
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