元ドラッグストア勤務の薬剤師が点眼薬について復習してみる。
市販の目薬は成分競争が激化していますね。どんどん配合する種類を増やして効き目を最大限にアピールしている。
〇〇成分最大量配合とか。色々はいっているお得感をアピールしています。ただ、私からすれば12種類も成分が入っている目薬は逆に使いたくない。
眼科を受診して、疲れ目と診断されたとして処方される目薬は1~2種類です。それが、市販薬だと1本で12種類もの成分がはいってます。なんかしら必要ない成分あるでしょうに。
市販薬の目薬で許可できる1度に配合できる成分数は最大で12成分だそうです。だから、12成分入っているものが最大ですね。
探したら、こちらの目薬が12成分配合されています。もしこれと同じ成分を医療用点眼薬でまかなうとしたらどのような内容になるのでしょうか?
成分・分量15mL中
ネオスチグミンメチル硫酸塩 | 0.75mg |
ビタミンB12(シアノコバラミン) | 0.75mg |
ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩) | 4.5mg |
酢酸d‐α‐トコフェロール(天然型ビタミンE) | 7.5mg |
L-アスパラギン酸カリウム | 150mg |
タウリン | 75 mg |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 4.5mg |
塩酸テトラヒドロゾリン | 7.5mg |
イプシロン-アミノカプロン酸 | 150mg |
ベルベリン塩化物水和物 | 1.5mg |
グリチルリチン酸二カリウム | 30mg |
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム | 37.5mg |
さー、いっくよー
ネオスチグミン:ミオピン点眼
シアノコバラミン:サンコバ点眼
ピリドキシン:該当なし
トコフェロール:該当なし
Lアスパラギン酸カリウム:該当なし
タウリン:該当なし
クロルフェニラミンマレイン酸:該当なし
塩酸テトラヒドロゾリン:該当なし
イプシロンアミノカプロン酸:該当なし
ベルベリン塩化物水和物:該当なし
グリチルリチン酸二カリウム:ノイボルミチン点眼
コンドロイチン:コンドロン点眼
こんな感じ。
張り切って探してみたものの思いの外該当がすくなくてがっかりした。12種類の目薬をいっぺんに指してるんですよ信じられないでしょーみたいなことがいいたかったんだけど、該当点眼が少なすぎてとくに感想なしです。
医療用でないということは医師はとくに必要としない成分ということですよね。だから、やっぱり余計な成分なのかもしれない。
医療用でよく使われる疲れ目の目薬
せっかくドラッグストアと調剤薬局と両方の経験者なので、医療用とOTCを比較して説明していきたいと思う。
サンコバ点眼液:シアノコバラミンというビタミンB12が配合された目薬。
疲れ目に一番使われてるんじゃないかな?赤色の目薬です。赤い色はビタミンB12の色です。ビタミンB12はメチコバールとおなじ成分です。目の神経の働きをよくして、調節機能を改善します。これにさらにメチコバール内服させるパターンありますよね。
CMで目・肩・腰にアリナミンってやってるけど「目」って入ってるのはこのシアノコバラミンが配合されてるから、内側から効かせたいときは内服します。
ただ、きやすい目ですけどね。
ミオピン点眼液:疲れた目の調節機能を改善します。
目のコリをほぐすイメージです。読書やデスクワーク、パソコンなど近業作業でピント調節の筋肉が疲れてしまってピント調節がしにくくなってるときに、筋肉をほぐしてあげてピント調節機能を改善してくれます。
これ閉塞隅角および狭隅角緑内障のある人は慎重投与です。だから市販薬にもたくさんはいってる成分なので、緑内障の人にあんまり市販の点眼薬をおすすめできないのはこの成分のせいですね。
成分をどんどん増やすのではなくって、逆に1種類とかに絞ってくれたほうがわたしとしては安心です。たとえば、シアノコバラミンのみの点眼とかね。
これ売ったらサンコバと同じ点眼なんだよって、薬剤師が率先して販売するんじゃないかな。
オススメの目薬
私のオススメの目薬は逆に何にも入ってない目薬。
ご存知ソフトサンティアです。防腐剤無添加だけでなく、有効成分すらもはいっていない。ほとんど涙と同じ組成の目薬です。目を潤せば、目のごろごろや疲れ目も楽になるからね。
とくに高齢者の目薬を購入したがる層はとりあえずなんかつけときたい的なひとが多いから、これすすめとけば安心です。
しかもリーズナブル。