鉄剤は服用患者の10-20%くらいで消化器症状の副作用がでるといわれています。
具体的には、悪心、嘔吐、腹痛、便秘、下痢なんかです。
鉄剤は根気よく服用が必要な薬にもかかわらず、副作用のため自己判断で服用を中止してしまうことがよくあります。
ちゃんと薬を飲んでもらうためにも、
服用の意義をしっかり説明しましょう。
①服用期間
鉄剤は貧血の症状がなくなっても引き続き数ヶ月は服用を続ける必要があります。
血液中の鉄の量は服用開始後比較的早く正常化するので、貧血の症状は比較的早く改善します。
ただ、貧血の症状がなくなったとしてもしても体の中で貯蔵される鉄(貯蔵鉄)はまだまだ不足しています。
貯蔵鉄が正常化するまで服用しないと服用をやめたらまたすぐに貧血症状があらわれてしまいます。
貯蔵鉄の量が正常化するまでには3ヶ月くらいかかるといわれているので根気よく服用が必要です。
②副作用
鉄剤消化器系の副作用(悪心、嘔吐など)がでやすいです。とくに空腹時に服用すると副作用がでやすくなります。
ただ、空腹時の方が鉄の吸収がいいとされているので、あえて空腹時に服用させることがあります。
もし、空腹時に服用が困難であれば食後の服用を提案しましょう。
③便の色
鉄剤を服用すると便の色が黒くなることを事前に説明しときましょう。
薬の成分の色なので心配する必要はありません。
④飲食物
鉄剤の吸収を促進したり、阻害する飲食物があります。
ビタミンCは鉄剤の吸収を促進します。鉄の吸収がよくなり気持ち悪くなることがあるので注意。
お茶に含まれるタンニン酸は鉄の吸収を阻害します。ただ、阻害は軽微であるためお茶を禁止する必要はありません。