意識低い系薬剤師の転職紀行

安寧の場所を求めて3年ごとに転職を繰り返す意識低い系薬剤師。管理薬剤師になりたくない万年勤務薬剤師。やる気はないけど薬は好き。

オーグメンチンにパセトシンやサワシリンを併用する理由は!?

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オーグメンチン、パセトシン、サワシリンはどれも抗生物質です。

パセトシンとサワシリンは名前が違うだけで同じものです。

最近、よく見るのが、

オーグメンチン + パセトシン
オーグメンチン + サワシリン

どれも抗生剤なので、

抗生剤を2種類重ねて服用するわけです。

この処方を成分でみてみると、

オーグメンチンは、
クランブラン酸とアモキシシリンの合剤

パセトシンとサワシリンは、
アモキシシリンの単剤

よって、

オーグメンチンに、アモキシシリンを追加しているわけです

この抗生剤を重ねて使う処方は耳鼻科によくみられます。

というのも、中耳炎や副鼻腔炎では抗生剤を高用量で使うことがあるからです。

このオーグメンチンに、アモキシシリンを追加するのは、抗生剤を高用量で服用してもらいたい時です。

抗生剤を多く使いたいなら、

オーグメンチンを単純に2倍出せばいいじゃんっと思うかもしれなが、ここがポイントです。

オーグメンチンは合剤で、クランブラン酸が入っているので単純に抗生剤だけが2倍になるわけではありません。

クランブラン酸は、アモキシシリンの働きを阻害する酵素β-ラクタマーゼを失活されてアモキシシリンの効果を高めてくれます。

アモキシシリンの補助的な役割を果たし、

このクランブラン酸は、倍にしなくても効果は十分だといわれていて、

むしろ増やすと下痢をするので、このままの量でいて欲しいのです。

なので、

アモキシシリンだけを別の薬剤で追加してあげてバランスを整えます。

ちなみに、

オーグメンチンのクランブラン酸とアモキシシリンの構成比は、1:2ですが、

アメリカでは、1:4で使われているので、

アモキシシリンの量を補って、倍にしてあげると、同じ1:4でちょうどよくなりますね。

-お薬の豆知識, 抗生物質

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