ザイザルはジルテックの進化版とされていて、
ジルテックが発売してから10年くらいあとに発売された薬です。
ジルテックの有効成分は、セチリジンで、
ザイザルの有効成分は、レボセチリジンです。
同じような名前ですね。
実は、ジルテックの成分であるセチリジンはよくみると、
D体とL体のの混合物になります。
このDって言うのは、
dextro-rotatory(右旋性)
Lってのは、
levo-rotatory(左旋性)
に由来してます。
セチリジンの場合は、
L体のことをレボセチリジン、D体のことをデキストロセチリジンと呼びます。
L体とD体ってのはほとんど同じ構造で、右手と左手の関係でよく表されます。
右手と左手は、同じ構造だけど、ピッタリと重ね合わせることができません。
ちょうど鏡に写したような構造なので、この違いを鏡像異性体(光学異性体)といいます。
ほとんど同じ構造だからセチリジンを合成した時に、一緒に混ざってできてしまうんだけど、
レボセチリジンの方が効き目がよくて、即効性があって、眠気もでなくて、持続性があることが分かりました。
いいことずくめだから、セチリジンからレボセチリジンを抽出したものを商品化したのがザイザルです。
レボセチリジンの方が効果が強いっていわれているので、
ザイザルは、成人に通常5mgで使います。
たいして、ジルテックは、成人に通常10mgで使います。
半分の量で同等の効果が得られるとされています。
また、ジルテックを服用してから血中濃度が最高に成るまでの時間は、1.4時間だけど、ザイザルは、1時間なので、
飲んでから効き始めるまでの時間も短くてすみます。
製薬会社さんも自信をもって発売したもんで、
その自信が名前に現れています。
ザイザルは英語表記で、「xyzal」と表記するそうです。
細かく分けると、
xyz + al
xyzはアルファベットの並びの一番最後にくる部分です。
これにアレルギー(Allergie)のalを組み合わせて、
最期のアレルギー薬という意味が込められているそうです。
この先、これを超えるアレルギー薬はもう出ることはないだろうという自信を感じました。
ちなみにお値段はというと、
ジルテック10mg:1錠109.9円
ザイザル5mg:1錠111.8円
実はあんまり変わんないんです。
でも、ジルテックのいいところは、
ジェネリック医薬品が発売されていることです。
同じ成分で、
セチリジン塩酸塩錠10mg「クニヒロ」という薬なら、
1錠15.2円です。
これはアレルギー薬のなかでもかなりの低価格です。
花粉症の薬は高額なものが多いから、
この点がジルテックの強みだと思います。