クラビットとタリビットは、両方ともニューキノロン系の抗生物質です。
ニューキノロン系の抗生物質は、強力で色々な細菌に幅広く使えます。とくにクラビットなんかは強力とされていて幅広い菌に効果があるので、気軽に処方されて濫用が懸念されてます。
用途も様々、呼吸器、泌尿器、循環器、外科などなど、どこで登場してもおかしくない薬です。膀胱炎はとりあえずクラビットって医師は多いと思う。
このクラビットとタリビットの違いを簡単にいうとクラビットはタリビットの進化版です。
タリビットをより強力でよく効くように改良したものなんです。
タリビット:オフロキサシン
成分名よく似てますよね?
これには理由があります。
タリビットの成分オフロキサシンをもっと細かく見てみると「R-オフロキサシンとS-オフロキサシン」の混合物なんです。
RとSってのは光学異性体のことで、平面でみたら同じ構造なんだけど、立体的にみると微妙に違う関係です。右手と左手の関係に例えられることがおおく、右手と左手は同じ形だけど、重なり合わせることはできません。
どちらもほとんど同じ構造だから合成する時に一緒に合成されて混ざってできてしまいます。ちょっとしか違いがないので同じものとして混合物をまとめてオフロキサシンとしています。
このRS体のS体の方だけを抽出したのがクラビットのレボフロキサシンです。
つまり、レボフロキサシンはS-オフロキサシンのことですね。
なんで片方の成分だけを抽出したのかというと、R体とS体は構造はほぼおなじでも、生体内での活性がちがうので、効き目や副作用の発現頻度に違いが出てきます。
クラビットに関してはS体の方がR体よりもよく効くて副作用が少ないそうです。
ということで、
S体だけ抽出したクラビットはタリビットよりもよく効くし、副作用も少ないって言われていいます。
いまでは、タリビット錠はほとんど使われなくなりクラビット錠が主流になりました。
タリビットとクラビットは、錠剤だけでなく点眼薬もあります。
タリビット点眼薬はいまでも現役でよく見かけますが、やっぱり、クラビット点眼薬の方が効きはいいって言われているので、
タリビット点眼薬は弱めの点眼薬ってことで軽い症状につかう医師は多いです。
個人的には、タリビットはもう販売中止でもいいとおもう。実際、先発医薬品のタリビット錠は販売中止になりました。それもまだ使いたいという医者はタリビットのジェネリックであるオフロキサシン錠をつかいます。
オフロキサシン錠をつかう理由ってぶっちゃけ全然わかりません。理解不能です。なんかあんのかな。
しかも、オフロキサシン錠(タリビット錠)って1日3回のむんですよね。クラビットの添付文書みると1日3回は耐性菌のリスクで推奨されない。かならず1日1回で服用させることみたいなことが書いてある。クラビットがそうなら、タリビットも同じですよね。
クラビットの添付文書にそう記載したてまえタリビットで1日3回のままでは販売できないから販売中止したんだと思うん。後発品メーカーは関係ないからそのまま継続販売してるんじゃないのかな。
クラビット錠500添付文書より
本剤の500mg1日1回投与は、100mg1日3回投与に比べ耐性菌の出現を抑制することが期待できる。本剤の投与にあたり、用量調節時を含め錠250mg及び細粒10%を用いる場合も分割投与は避け、必ず1日量を1回で投与すること。
クラビットは、よく効く抗生剤だけに使用頻度も多いが、使用すればするほど、クラビットの耐性菌が増えることになります。
実際、少しずつ耐性菌が増えてきているそうです。風邪でつかいまくってると肺炎や膀胱炎になったときクラビットきかなくなってしまうので軽い風邪でクラビットってのはちょっといかがなものかってなってますね。
あっ、風邪でクラビットだけでなくニューキノロン全般ですけどね。ジェニナック、アベロックス、オゼックスとかもね。だから、オフロキサシン錠なのか?とおもうけどそれもねー。