乗物酔いは平衡機能(三半規管)の発達に関係し、酔いやすい年齢と酔いにくい年齢があります。
平衡機能が未発達な0歳~3歳くらいまでの乳幼児は、
乗物酔いすることはほとんどありません。
いちばん酔いやすい年齢は、平衡機能が発達しはじめる小学生くらいから中学生くらいまでです。
そこから大人になるにつれて平衡機能は鍛えられていくので乗り物酔いは減ってきます。
市販薬だと乳幼児には乗り物酔いをほとんどしないという前提があるので、
市販薬で3歳未満に使用出来る乗り物酔いの薬はありません。
また、病院の薬でも、
乗り物酔い(動揺病)に保険使用が認められている薬は限られており、トラベルミン配合錠くらいしか思い浮かびません。
ただ、乗り物酔い専門の薬はないが、乗り物酔いに効果のある薬はもちろんあります。
こういった薬の本来の使用目的は乗り物酔いではないので、先生にお願いして薬を出してもらう時は保険が認められず、
自費になります。
こないだ、自費の薬でお渡ししたお薬がペリアクチンというお薬。
普段は、抗ヒスタミン薬として小児の風邪薬にバンバン処方されますが、
自費で、5回ぶんででたので驚きました。
乗り物酔いの保険適用のあるトラベルミン配合錠は錠剤しかないので、乳幼児には不向きです、
なので、似たような効果のある抗ヒスタミン剤を選択したのだと思われますが、
ペリアクチンの保険適用は、
皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症,薬疹),じん麻疹,血管運動性浮腫,枯草熱,アレルギー性鼻炎,血管運動性鼻炎,感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽
乗り物酔いとは無縁なように思われますが、乗り物酔いの薬には第一世代の抗ヒスタミン薬がよく用いられます。
というのも、乗り物酔いの吐気や胃腸障害は、脳の嘔吐中枢を刺激することにあります。
なので、眠気を出にくくするために中枢へ移行しないように改良した薬より、
それ以前の第一世代の抗ヒスタミン薬の方が中枢へ作用して、吐気やめまいを抑える効果があります。