溶連菌とは、正式には溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌で、α溶血とβ溶血を呈する2種類があます。
溶連菌感染症の90%以上がA群によるものです、一般にはA群溶血性連鎖球菌による感染症を溶連菌感染症として理解してもいいでしょう。
症状の代表的なものは、発熱とのどの痛みです。
風邪と違って咳や鼻水がほとんどないのがこの病気の特徴で、
3歳未満ではあまり熱があがらず、のどの痛みだけを訴えることが多いようです。
また、体や手足に小さくて紅い発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブが出たりすることがあります。
溶連菌感染症には潜伏期間があり、実際に感染してからだいたい2〜4日で症状がでます。
最近では、簡易検査で10分以内に結果が出るので、すぐに溶連菌かどうかわかります。
もし溶連菌感染症であった場合には抗生剤の治療が必要となります。
溶連菌感染症の第一選択はペニシリン系の抗生剤で、10日間飲み続ける必要があります。
画像:塩野義製薬 病気の知識より
お薬を飲み始めると、2〜3日で熱が下がり、のどの痛みもやわらいできます。
確実に溶連菌を退治し、続発する合併症を引き起こさないために、症状が消えても抗生物質はしばらく飲み続けなくてはいけませんので、
多くの場合で、抗生剤は10日間飲み続ける必要があると言われています。
(ペニシリン系なら10日間、セフェム系であれば5日間)
推奨される抗菌薬療法
A群溶血性連鎖球菌による咽頭・扁桃炎の抗菌薬療法
バイシリンG 5万単位/kg/日、分3~4、10日間
アモキシシリン 30~50mg/kg/日、分2~3、10日間
セフジニル 9~18mg/kg/日、分2~3、5日間
セフジトレン ピボキシル 9mg/kg/日、分3、5日間
セフカペン ピボキシル 9mg/kg/日、分3、5日間
セフテラム ピボキシル 9~18mg/kg/日、分3、5日間
(小児呼吸器感染症ガイドラインより抜粋)
溶連菌感染症は、繰り返しかかることもあります。大人になってもかかります。
溶連菌は咳やくしゃみなどで飛沫感染するので、学校や保育園には、周りへの配慮のためにも、熱が下がってしっかりよくなってからにしましょう。