セレウス菌は、土壌細菌のひとつで、土、水、ほこりなんかの自然環境に広く分布しています。
セレウス菌少量を口にする程度では、食中毒にはなりませんが、
古くなったり、時間がたってしまった食材は菌が増殖しているので、口にしてしまうと食中毒になってしまいます。
このセレウス菌の厄介なところは、芽胞という固い殻を形成し、自身をまもることです。
芽胞が形成されると、熱に強くなるので、調理程度の加熱では死滅しません。
セレウス菌は自身で毒素を産生して食中毒を引きおこすのだが、症状は下痢か嘔吐かどちらかであり、
産生する毒素によって「下痢型」と「嘔吐型」に分類されます。
嘔吐型
食品中で菌が増殖し、嘔吐毒が産生された食品を人が食べると、1~5時間の潜伏期間の後発症します。
悪心・嘔吐が主症状として現れ、全般的に軽症でありほとんど1両日で回復します。
下痢型
菌が体内で増殖し、下痢毒素を産生し、8~16時間の潜伏期間の後発症します。
腹痛・下痢が主症状として現れ、全般的に軽症でありほとんど1両日で回復します。
治療
セレウス菌には抗生物質が効きます。
クロラムフェニコール、アミノグリコシド、バンコマイシン、クリンダマイシン、エリスロマイシンなんかが効きますが、セレウス菌の症状は、軽度であり、症状もあまり長引くことはないので、あえて抗生物質を使用せずに、水分補給により様子をみることが多いようです。
食中毒のシーズンは、古いものはなるべく口にしないようにしましょう。