小児のお子さんだと、複数の坐薬がいっぺんに処方されることはよくあることです。
例)
熱性痙攣に、解熱剤の坐薬と痙攣予防の坐薬
発熱中の嘔吐に、解熱剤の坐薬と吐気度目の坐薬
このような場合に、順番はどうなっているのでしょうか?
基本ルール①:どんな坐薬であっても一緒に使うときには30分間隔をあけること
前に入れた坐薬が吸収されるまで、約30分くらいは間を空けましょう。
基本ルール②:水溶性基剤 → 油脂性基剤の薬剤の順番で使用すること
坐薬は周りを固めている材料によって大きく2種類に分けられます。
まわりを固めている材料が、水に溶ける水溶性のものと、水には溶けない油脂性のものがあります。
油脂性基剤:アンヒバ坐薬、アルピニー坐薬、カロナール坐薬、ワコビタール坐薬、ボルタレン座薬
水溶性基剤:ダイアップ坐薬、ナウゼリン坐薬
油脂性→水溶性基剤の坐薬の順番で使用してしまうと、先に使用した油脂性の基剤が、後から使用する、水溶性基剤の薬剤の吸収を妨げてしまいます。
吸収が妨げられた薬剤は、効き目が悪くなってしまうので、どちらもしっかり効かせるためには水溶性→油脂性の順番で30分間隔をとって使うことです。
使用する順番例)
ナウゼリン坐薬 → アンヒバ坐薬・アルピニー坐薬・カロナール坐薬
ダイアップ坐薬 → アンヒバ坐薬・アルピニー坐薬・カロナール坐薬
もし先に、油脂性基剤のものを入れてしまった時には、2時間くらい間をあけると、次のものもしっかり効果があります。