意識低い系薬剤師の転職紀行

安寧の場所を求めて3年ごとに転職を繰り返す意識低い系薬剤師。管理薬剤師になりたくない万年勤務薬剤師。やる気はないけど薬は好き。

シックデイの時に服用を中止するお薬

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糖尿病の人はどのかたもしっかりと薬識があり、シックデイについても医者からしっかりと指示を受けているで、理解があります。

そうすると、逆に医者から指示を受けていない薬剤師の方が、患者さんよも無知だったりすることもあります。

そんな気まずいこのにならないためにシックデイってなんでしょうか?

糖尿病の治療中に発熱を伴う感染症、下痢・嘔吐、外傷などで食欲不振のため食事ができない状況のことをシックデイとよびます。

シックデイ期間中は普段血糖管理が良好な患者でも血糖コントロールが乱れやすく、適切な対応を取らないと著しい高血糖や昏睡に至る恐れがあり、原因となった病気への対応が遅れたり、誤った自己治療をすると、場合によっては危険な状態になることもあります。

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シックデイでは発熱・感染、外傷などのストレスによりグルカゴン、成長ホルモン、エピネフリンといったインスリン拮抗ホルモンの分泌が増加する。

これにより肝での糖新生が促進され糖利用が減少し、インスリンの分泌が抑制される。

さらに炎症性サイトカインの増加もインスリン抵抗性の増大やインスリン分泌の抑制を引き起こし、結果として、食事摂取量が減少していても高血糖となりやすい。

しかも脂肪分解の亢進状態にあり、ケトン体が血中に蓄積されてケトーシスを起こすと、さらに食欲不振や消化器症状が悪化する。

これらの糖代謝の変化に加え、発熱による発汗、下痢・嘔吐や食事摂取量の減少から脱水を来すと、一層高血糖は悪化し、高血糖性高浸透圧昏睡を発症しやすくなる。

逆に、糖代謝の変化が軽微な状態で食事摂取量が低下した場合は、通常量の薬剤を服薬し続けることにより重度の低血糖を起こすこともある。

よってシックデイ中は、頻回の血糖測定で病状を把握したり、日ごろは経口剤で治療していても一時的にインスリン療法に切り替えるなど管理や治療が強化される。

そして、
①経口摂取ができない
②シックデイの原因疾患が重篤である
③尿ケトン体が強陽性または著しい高血糖がある

などの場合には入院加療が必要となる。

食事摂取量が減少すると服薬を全く中止してしまう患者がいるが、シックデイでは高血糖となりやすい状態にある。よって食事摂取が可能であれば薬物療法を中断しないことが重要である。

ただし、ビグアナイド剤は一般に、脱水や下痢・嘔吐などがある場合は乳酸アシドーシスの危険性があるため投与が中止される。

α-グルコシダーゼ阻害剤、インスリン抵抗性改善剤も消化器症状に影響を与える可能性があるため、投与が中止になることが多い。
引用:日経DIクイズ
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