意識低い系薬剤師の転職紀行

安寧の場所を求めて3年ごとに転職を繰り返す意識低い系薬剤師。管理薬剤師になりたくない万年勤務薬剤師。やる気はないけど薬は好き。

リンデロンと同じ市販薬はないの?

投稿日:2013年11月26日 更新日:

元ドラッグストアの薬剤師が市販薬紹介します。

さっそくですがリンデロンという病院で処方される塗り薬をご存知でしょうか?病院で処方される薬のなかでもトップクラスの知名度をほこる商品だと思います。

リンデロンはステロイドの塗り薬なので使用用途は”かゆみ・かぶれ・しっしん”と幅広い用途で使用され、皮膚科だけでなく内科・耳鼻科・小児科・整形外科などなどあらゆるところで登場する塗り薬です。

種類も沢山あるので”リンデロン”という名称だけなら外用薬の中では一番有名なのではないでしょうか?

こちらがリンデロンシリーズです。

リンデロンDPクリーム
リンデロンDPゾル
リンデロンDP軟膏
リンデロンVGクリーム
リンデロンVGローション
リンデロンVG軟膏
リンデロンVクリーム
リンデロンVローション
リンデロンV軟膏
リンデロン点眼・点耳・点鼻液
リンデロン点眼液
眼・耳科用リンデロンA軟膏
点眼・点鼻用リンデロンA液

上記のようにリンデロンはいろいろ種類があるけど、よく登場するのはオレンジのキャップのリンデロンVG軟膏もしくは水色のキャップのリンデロンV軟膏だとおもいます。

シオノギ製薬:リンデロン-VG軟膏 剤形写真(外部リンク)

ステロイドの強さは5段階中で真ん中のストロングクラスです。真ん中だから使いやすいんでしょうね。皮膚科以外の専門でない診療科の先生ががたがステロイドの塗り薬を使いたいときによく登場します。”強すぎず弱すぎず”です。

VG”の”G”はゲンタマイシンの”Gだから、抗生剤が入っているかどうかの違いです。VGはゲンタマイシン配合でVには配合されていません。皮膚科医はVとVGを使い分けているのかというと、意外とそうでもない。うちの門前皮膚科はリンデロンVGがお気に入りでV軟膏を使うことはありません。

逆にちかくの大学病院はVG軟膏を採用品目に入れていないのでV軟膏しか処方しません。そのかわりに抗生剤が必要な場面ではゲンタシン軟膏と混合してもちいることもしばしばある。

抗生剤なんて必要ないだろうな―ってシーンでもとりあえずのVGつかうことはよくある。かぶれやかゆみを主とする症状であれば抗生剤が必要になるようなシーンの方がすくない。もしかしたら、掻き壊して症状悪化したときの感染予防のため念のため抗生剤ってパターンもあります。

いろんな種類があるけどVシリーズ以外はその他って感じで、ほとんど使いませんが、せっかくなので最後にちょこちょこっとだけまとめます。

その前に本題です。

リンデロンVG軟膏は調剤薬局で購入できるのか?

メジャーな薬なのでリンデロンを販売してくれという相談がたくさんきます。ぶっちゃけ、販売できるんだけど、いろいろとめんどうなのでほとんどの調剤薬局は販売してくれません。

医療用医薬品は極力販売せずにOTCがあるのであればそちらで対応する用に紹介します。

ということで、

リンデロンVGと同じ市販薬はあるのでしょうか?

と、はりきって調べてみたものの全く同じ成分を配合したものはありません。ただ、主成分であるベタメタゾン吉草酸エステルを配合のものは存在するので、ステロイド軟膏としての用途でもちいるのであればほぼ同等のものが紹介できます。

リンデロンVG軟膏
主成分:ベタメタゾン吉草酸エステル + ゲンタマイシン硫酸塩

ベトネベートN軟膏AS
主成分:ベタメタゾン吉草酸エステル + フラジオマイシン硫酸塩

抗生剤は違うものが配合されていますが、主成分であるベタメタゾン吉草酸エステルは同じものが同じ濃度で配合されているので、ステロイドの強さとしては同じです。

市販薬のベトネベートクリームSはリンデロンVクリームと同じステロイドを同量含有するものです。

ベトネベートシリーズは薬事法で指定第2類医薬品に分類されており、ドラッグストアで普通に販売されています。

ドラッグストアで市販されているステロイドの外用薬でなるべく強いランクのものを選びたいのであれば、このベタメタゾン吉草酸エステルが配合されたものを選択するといいでしょう。医療用としては中間ランクのステロイドですが、市販薬の中ではこれ以上強いランクのものはありません。

ブヨ、ムカデ、ハチ、クラゲなどちょっと手ごわい感じの虫刺されには強いランクのステロイドを選択すしていくことになります。

-市販薬

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